(一社)LGBT理解増進会・LGBT理解増進ネット(最新情報)

同性愛や性別違和など性的マイノリティの人々が、日本社会で自分らしく生きていけるための、すべての基礎となる理解増進法の制定を目指します。

東京都・性自認及び性的指向に関する基本計画の公表について

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 年の瀬に東京都総務局堀越弥栄子人権部長より、「東京都性自認及び性的指向に関する基本計画の公表について」を送付して頂きました。
 
 私は、東京都条例成立時は、全く意見を届けることができませんでしたが、その後に作られたこの基本計画については、東京都からの相談を受け多くの助言ができました。
 
 来年の成立を目指すLGBT理解増進法の法の精神を踏襲して頂くよう助言を続けた結果、第 3 章 課題認識と基本的な考え方 (19p~)に大きく活かして頂けました。
 
 先ずは理解の増進からという理念を東京都の政策に取り入れて頂けたことを大変うれしく思います。
 
 
 
■東京都性自認及び性的指向に関する基本計画(本文)
 

LGBTの施策は、いきなりの差別禁止ではなく、先ずは理解増進で」
 
 大阪府性的指向及び性自認の多様性に関する府民の理解の増進に関する条例(令和元年10月30日大阪府条例第18号)とともに、来年こそは、私が4年越しで求めてきた、「LGBT理解増進法」を成立するために全力投球したいと思います。
 
 故宮川典子先生(元自民党性的指向性自認に関する特命委員会事務局長)と私との約束は、「世界の先端で理解増進」です。
 
 最後に皆さまお揃いで、穏やかな年末年始をお過ごしください。今年もお世話になりありがとうございました。

               代表理事 繁内幸治
 
一般社団法人 LGBT理解増進会
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年の瀬のご挨拶 (令和元年12月28日)

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 本年もいよいよ余白を残すのみになりました。今年一年間、多くの皆様にお世話になり、ありがとうございます。心より厚くお礼を申し上げます。
 
 来年は、いよいよ当会の念願である、LGBT理解増進法(仮)を成立させる年になります。国会審議が内外の大きな変化により荒れる可能性も大きいですが、何としても成立させて、東京オリンピックパラリンピックを迎えたいと思います。
 
 年の瀬に当たり、皆さまお揃いで、穏やかな年末年始をお過ごし頂けるようお祈り申し上げます。
 
      代表理事 繁内幸治拝
 
 
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【ご報告】

 NTS新潟相互テレビの報道部副部長から、本日(令和元年11月11日)18時のニュースでお詫びと訂正の放送をするとの連絡がありました。当会の申し入れに対し、真摯に向き合って頂き感謝の意を伝えました。今後にしっかりつなげたいと思います。

 

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大阪府でLGBT理解増進条例が成立

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 大阪府性的指向及び性自認の多様性に関する府民の理解の増進に関する条例(令和元年10月30日大阪府条例第18号)が成立しました。


 この条例は、全国の地方自治体で初めて、当会が積極的に立法化に向けて進めているLGBT理解増進法を先取りした内容になっています。当会として大阪府と意見交換を密にして成立した条例ですから、今後は全国の自治体にお勧めしたいと考えています。


「差別禁止ではなく、先ずは理解増進から」という当会の主張を、全国に広げるきっかけになる条例が成立したことを嬉しく思います。

 

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大阪府性的指向及び性自認の多様性に関する府民の理解の増進に関する条例
http://www.pref.osaka.lg.jp/jinken/sogijorei/index.html

 

大阪府性的指向及び性自認の多様性に関する府民の理解の増進に関する条例

(令和元年10月30日大阪府条例第18号)

 全ての人が個人として尊重され、法の下に平等であることは、日本国憲法の基本理念の一つである。
 府民一人ひとりが、ありのままの自分を表現し、自らの意思で自由に生き方を選択することができる社会を構築することは、私たち全ての願いであり、また責務である。
  そのため、性の多様性に関する無理解により、個人の社会参加の機会が制限されるようなことはあってはならず、また性的指向性自認を理由とした差別は決して許されない。
 府においては、これまでも、性的指向及び性自認の多様性に関する理解の増進に向けた様々な取組を推進してきているが、いまだに性的指向及び性自認の多様性に関する無理解を背景に誤解や偏見、差別が生じている。
 ここに、私たちは、性的指向及び性自認の多様性が尊重され、全ての人が自分らしく生きることができる社会の実現を目指すことを決意し、この条例を制定する。

(目的)
第1条 この条例は、性的指向及び性自認の多様性に関する理解の増進に関し、基本理念を定め、府、府民及び事業者の責務を明らかにするとともに、性的指向及び性自認の多様性に関する理解の増進に関する施策を実施し、もって全ての人の性的指向及び性自認が尊重される社会の実現に資することを目的とする。

(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
 一 性的指向 自己の恋愛又は性愛の対象となる性別についての指向をいう。
 二 性自認 自己の性別についての認識をいう。

(基本理念)
第3条 性的指向及び性自認の多様性に関する理解の増進の取組は、全ての人が等しく基本的人権を享受するかけがえのない個人として尊重されるべきことに鑑み、全ての人が相互に人格と個性を尊重し合う社会の実現に資することを旨として行われなければならない。

(府の責務)
第4条 府は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、性的指向及び性自認の多様性に関する理解の増進に関する施策を実施する責務を有する。
 2 府は、国及び市町村が実施する性的指向及び性自認の多様性に関する理解の増進の取組について協力するものとする。

府民の責務)
第5条 府民は、基本理念にのっとり、性的指向及び性自認の多様性に関する理解を深めるとともに、府が実施する前条第一項の施策に協力するよう努めるものとする。

(事業者の責務)
第6条 事業者は、基本理念にのっとり、性的指向及び性自認の多様性に関する理解を深め、その事業活動を行うに当たっては、性的指向及び性自認の多様性に関する理解の増進の取組に努めるとともに、府が実施する第4条第1項の施策に協力するよう努めるものとする。

(理解の増進に関する施策)
第7条 府は、次に掲げる性的指向及び性自認の多様性に関する理解の増進に関する施策を実施するものとする。
 一 性的指向及び性自認の多様性に関する府民の関心及び理解を深めるため、教育及び啓発を行うこと。
 二 性的指向及び性自認の多様性に関する相談に的確に応じること。
 2  府は、前項各号に掲げるもののほか、府が実施する事務事業において、性的指向及び性自認の多様性に配慮するよう努めるものとする。

附 則
この条例は、公布の日から施行する。

 

【お知らせ】

 当会代表理事繁内幸治が、11月4日(令和元年 2019)、(一社)LGBT新潟主催の講演会に登壇しました。(ANAクラウンプラザ新潟にて
 
 その講演会を取材して頂いたNST新潟総合テレビの放送の中で、使用されたフリップに不適切な表現がありました。
 
 「レズビアン」と表記するところを、当事者が侮蔑的な表現と感じる「レズ」との表記になっていましたので、当会として、当該表記は避けて頂くよう申し入れするとともに、善処するよう申し入れをしました。
 
 放送自体は、よい内容なだけに、日ごろ使用しているフリップが不適切ということだと思いますので、今後はこのフリップは使用しないように申し入れましたが、編集の際のチェックの甘さが露呈してしまったこと、放送後もそれに気づかなかったことを思うと、基本的な知識が不足していると考えています。
 
 この表現は避けて頂くように講演でも話をしておりましたので非常に残念です。
 
 当会としては、よい機会ですから、再発防止を含めて、主催者とともに学びを深めるための研修会を実施することを提案したいと考えています。
 
 また、トランスジェンダーの定義も、「体の性、心の性」を使用することには注意が必要である旨も申し添えました。
 
 報道機関に正しい報道をして頂くためにも、早急に学びを進めて頂くことが必要だと痛感しています。
 
 
一般社団法人 LGBT理解増進会
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【訃報】

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経団連でのLGBT理解増進会キックオフイベントにて

当会顧問宮川典子衆議院議員の逝去に際し、謹んで哀悼の意を捧げ、衷心よりお悔やみを申し上げます。

お別れの会の詳細につきましては、下記をご参照ください。

40歳と言う若さでの乳がんでの急死に、本人もきっと不本意だと思っておられることでしょう。

まさにこれからの活躍が期待されたところです。

当会は、宮川顧問を名誉顧問とし、遺志を引き継ぎ、LGBT理解増進法を成立させ、「10年先の世界一」を目指して活動を進めて参りますので、更なるご理解とご支援をお願い申し上げます。

 
令和元年9月13日
(一社)LGBT理解増進会 代表理事 繁内幸治

 

通夜・葬儀は近親者のみで執り行われ、お別れの会が下記の通り、開催されます。

<故 宮川典子 衆議院議員 お別れの会>

日時:9月29日(日)13時00分~
場所:アピオセレモニーホール甲府
   (山梨県中巨摩郡昭和町清水新居1020 電話0120-11-4490)
葬儀委員長:麻生 太郎 副総理・財務大臣
喪主:(弟)宮川啓一郎 殿

 

一般社団法人 LGBT理解増進会

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徳島県那賀郡那賀町での人権教育研究会にて講演

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令和元年(2019)7月26日、徳島県那賀町立鷲敷中学校を会場とした那賀郡人権教育研究大会において、当会代表理事が講師を務めさせて頂きました

那賀町にある全小、中、高の90人の先生ほか、教育長もご参加頂きました。予定のある先生以外は全員ご参加の研究会でした。

人口8,400人の町の抱える最大の課題は、人口減による過疎化。このような地域でどうLGBT人権文化を根付かせるかを考える。

同性婚、差別禁止、ダイバーシティという文脈で語れば、どのような結果になるのか。当会にとっても、今後の人口減が深刻な全国の市町村のLGBT研修に生かせる学びをさせて頂くことができました。

終了後、保護者のお一人が控室にお越しになり、人口減に悩む町を反映し、少子化対策の一環として、町が民間団体と協働して行っている「若者の出会いの場の提供」とLGBTという具体的なものがありました。活動をサポートしている皆さんの多くは善意の中高年の女性の皆さんとのことでした。

LGBT理解増進法(仮)の成立後にできるであろう政府の連絡会に図り、全国にあるこのような活動とLGBTへの配慮について、国が見解を示すように助言したいと約束しました。人口減が深刻な地域で、全国的に行われている施策ですから、各地が共通の認識を持つことが大事だと回答させて頂きました。

都市部と違いコミュニティが密な郡部での今回の研究会で、多くの課題が確認できた貴重な経験となりました。

以下は、那賀町立鷲敷中学校校長の吉成先生のご感想です。
先生の許可を得て紹介させて頂きます。

 

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那賀郡人権教育研究大会(講演会)を終えて

 那賀郡内の教職員からは,以前より性同一性障害などの性に関わる問題について,その内容理解が不十分であったり,教える方法がわからないや,自身の性について悩みを持つ児童・生徒の支援の在り方や周りの人たちへの指導について理解を深める必要性を強く感じているという声を聞いていました。そこで,今年度は教職員が性的マイノリティについての理解を深め,今後の指導に生かしていける講演会にと繁内幸治先生に講演の依頼をいたしました。

 学校では,研修の機会を確保し,学校全体で性的マイノリティの問題に取り組む。そして多様性を認め会える環境作りと児童生徒の学習の場の確保が課題です。そのためにもわれわれ教職員は,正しい基礎知識をしっかりと学ぶ必要があります。

  今回の繁内先生の講演は,「LGBT理解増進法」の成立に向けご尽力なさっている先生だからこその全国の教育機関のLGBTに関する正しい基礎知識や指針をお話いただいたと思います。教育に携わるものは,統一した同じ指針のもと,どの都道府県も同じ教育を進めていく必要があります。間違った理解が進むとつらい思いをするのは,児童・生徒です。今回,今までわれわれが研修してきた内容と一部相違があり,改めて正しい基礎知識の重要性を再認識いたしました。

 また,私自身は,先生の言葉のなかで,「生まれたままの姿でいいじゃないか」それを認める社会を作っていかなかければならない。多様性への理解を深めなければいけないという先生の強い信念に心を打たれました。今は,自分の体にメスを入れ容姿を変えることが多い世の中で、その社会の在り方に自分自身も疑問を持つことができました。また,LGBTの問題の完全解決を目指している先生の,差別解消がトップダウンにより禁止することで進めていく方法をとるのではなく、LGBTの問題は、マジョリティを非難するのではなく,相互理解と個人の尊重を大切にボトムアップし、LGBTの問題に理解増進を進めていくことで完全解決を焦らずゆっくりと一歩一歩進めていくという考えが心にすっと入ってきました。

  那賀郡では,LGBTの問題に関して,初めての講演会・研修会でした。参加者は,小・中・高の教職員と認定こども園の教員,保護者の方合わせて90名強の参加でした。郡内は教育熱心な若い先生方が多く,先生の熱い思いのこもった講演に,真剣にメモを取りながら講演に耳を傾けていたのが大変印象に残りました。

 先生におかれましては,お忙しい日程のなか,遠路徳島県那賀町までお越しいただき本当にありがとうございました。先生からご示唆いただいたことを基に今後も那賀町の教育を進めてまいりたいと思います。まだまだ未熟な私たちです。今回のご縁に甘えさせていただき今後もご指導いただければありがたいと思います。ありがとうございました。

                         那賀町立鷲敷中学校 吉成昭彦