本日、参議院本会議で自民、公明、維新、国民、有志の会の皆さまのご賛意を得てLGBT理解増進法が無事成立しました。
この法律は、私が平成28年2月19日の自民党本部で開催された「第1回自民党 性的指向・性自認に関する特命委員会」の席上で、「LGBT理解増進法を作って欲しい」と政策提言したことに始まります。
あれから7年4か月の年月を経て無事今日の日を迎えることができました。
改めて皆さまのご理解とご協力に心より深くお礼を申し上げます。
「差別禁止ではなく理解増進で」、「精神の涵養と寛容な社会」、「目指すは10年後の世界一」、「カムアウトする必要がない社会」など、色々な言葉を発信し続けた7年4か月を懐かしく思い出します。
いま先進国では、差別禁止を掲げても、同性婚ができても、社会を真っ二つに分断してしまう厳しい現実に直面し、昨今は、トランスジェンダリズムの拡大に伴い女性や子どもの安心・安全が脅かされています。
本来は国会で議論を深めたかった法の理念の根幹である理解増進ではありましたが、残念ながら衆議院では本法案に直接関係のないお風呂、トイレばかりが取り上げられ、参議院でも多くの時間がお風呂、トイレの他、当事者を巡る困難というミクロの視点に焦点が当たったことを残念に思っています。
ネット上でも、議員立法、理念法という法律の知識や国会運営などに不慣れな皆さんとの議論はかみ合わず、理解増進法に対する理解の増進をしなければならないことが苦く思えました。
法律は施行されますが、まだまだ理解増進法の真の姿をご理解頂くことなく多くの皆さまのご懸念も残ってしまっていると思っています。
理解増進法は教育と社会啓発の理念法です。
しかしトイレや風呂が焦点化された結果、図らずも穏やかに暮らしておられたGID、犯罪と無関係のトランスジェンダーや性分化疾患の当事者、ご家族の皆様に多大なご心労をお掛けしてしまったことは痛恨の極みです。
国はこの事実を重く受け止め指針、基本計画に活かして頂く必要があります。
今後は法に基づき、先ずは指針、基本計画を作成する中で、近い将来、理解増進法で本当によかったとご評価頂けるように甚だ非力ではありますが精一杯務めて参りたいと思いますので、引き続きご指導とご協力をお願い申し上げます。
理解増進法が今後のわが国の全ての性的マイノリティの幸福への道しるべとして歴史を刻んだ記念すべき日に
令和5年(2023)6月16日
一般社団法人 LGBT理解増進会 https://lgbtrikai.net/
代表理事 繁内幸治
※私が理解増進法を政策提言するきっかけから今に至るまでを神戸新聞が丁寧に報じてくれていますので、ぜひ御覧ください。