(一社)LGBT理解増進会・LGBT理解増進ネット(最新情報)

同性愛や性別違和など性的マイノリティの人々が、日本社会で自分らしく生きていけるための、すべての基礎となる理解増進法の制定を目指します。

経済産業省職員に対する省内の女性用トイレの使用制限を違法とする最高裁判決について

 

性同一性障害経済産業省職員に対するトイレ使用制限を巡り最高裁が7月11日、国の対応は「違法」とする初判断を示しました。

この判決は、あくまでも経済産業省に勤務する個人の場合であって、拡大解釈をしないように注意が必要です。

LGBT理解増進法が成立したばかりで、今後の立法、行政行為を尊重して頂けなかったことは誠に遺憾ではありますが、約4年10か月に渡って経産省が何も対応して来なかったことが今回の判決につながったことを思うと、理解増進法がもう少し早く成立していれば判断は変わった可能性があるだけに残念です。

国は今回の判決を鑑み。理解増進法に基づき早急に指針、基本計画を作成して欲しいと思います。

当会代表理事の意見は、産経新聞で紹介されていますのでご一読頂ければ幸いです。


最高裁判決「反発生み社会分断も」LGBT法アドバイザー(産経新聞2023/7/11)
https://www.sankei.com/article/20230711-RF4EVHTT7NLSNN3MYNX6CQTCIY/

女性として暮らす性同一性障害経済産業省職員に対する省内の女性用トイレの使用制限を違法とする最高裁判決が11日、示された。LGBTなど性的少数者への理解増進法の作成に自民党のアドバイザーとして関わった一般社団法人「LGBT理解増進会」の繁内幸治代表理事産経新聞の取材に応じ、「LGBT全体への反発を生み、社会の分断につながる恐れもある」と懸念を示した。

判決は不特定多数のトランスジェンダー女性(生まれつきの性別は男性、性自認は女性)に女性トイレの利用を認めたものではないが、性急すぎるのではないか。LGBT全体への反発を生み、LGBTに対する理解を深める流れに逆行しかねない。

トランス女性の女性トイレの利用について社会の理解は追い付いていない。顔見知りのトランス女性と職場のトイレを共用することを嫌がる女性も多い。

社会の分断につながる恐れもあり、理解増進法が掲げた共生社会の実現という理念になじまない。「全ての国民が安心して生活することができることとなるよう留意する」という理解増進法の文言との整合性も問われることになる。

障害者や外国人の人権と比べ、LGBTに対する国民の理解は進んでいない。無意識のうちに言ってしまった発言が性的少数者を傷つけるというケースもある。基礎知識を勉強し、一歩一歩進んでいこうというのが理解増進法の法理だ。

もう少し早く理解増進法が成立していれば、こうした判決にならなかったかもしれない。国は速やかに理解増進法に基づいて基本計画や指針を策定し、トランス女性による女性専用スペースの利用を巡る国民の不安や違和感を払拭するよう努めてほしい。(聞き手 奥原慎平)

 

一般社団法人 LGBT理解増進会
https://lgbtrikai.net/